第1話
第1話



 「ハイネーッ!!」

ハイネの脳内に、アスランの声だけがまだ響いていた。 

ハイネ専用機であるグフイグナイテッドは、ほぼ全壊している。 
しかし、運がよかったのだろうか、彼はまだ息を引き取ってはいなかった。 
けれど、重症は重症。機体ごと地面に叩きつけられたのだから。 
地面に倒れているハイネはぽつりとつぶやき、自嘲する。 

「まさか・・・やられるとはな・・・」 

岸の間から覗く、自分の無残な状態とは正反対の綺麗な赤い夕日がとても憎らしい。 
手足の感覚がなく、息は今にも途絶えてしまいそうなくらいだ。 

「無様だよなァ・・・・」 


ハイネはそう呟き、そのまま記憶を失った。 




何か口に押し込まれた衝撃で目が覚めた。びっくりして目を開ける。 
目を開けたそこには、不思議な男がいた。 
その男は、小さな何かをハイネの口に押し込んでくる。 

「噛んでください」 
「?!・・あん・・・たッ・・・・何をッ・・・」 

しかし、力が入らないハイネが対抗する術はなかった。 
ワケが分からないまま、その豆のようなものを噛み砕き、飲み込む。 
すると、みるみるうちに体中の傷という傷がふさがっていく。体中の痛みも消え、 
空腹感さえもないのだ。今起こっている状況に思考回路が追いつかない。 

ハイネは少しぼーっとしていたが、それからゆっくりと立ち上がり 
大きく体を動かしてみた。 都合の悪いところなど、一切無い。 
死は免れた・・・。ハイネは自然と、安堵の表情になった。 

「よかった」 

今起こったことにとても驚いていたので、隣にいた男のことを忘れていた。 
ハイネは急いで男の方に向き直り、深々とお辞儀をする。 

「ありがとうございます、貴方のおかげです」 
「いえ、お礼なら今あなたを救った仙豆に言ってください」 

仙豆?!ドラゴンボールの?なぜSEEDの世界にそんなものがあるんだ?! 
男はにっこりと微笑む。しかし、盲目なようだ。目はつぶっているし、杖をついている。 

「よろしければ、あなたを家にお泊めします、私はマルキオと申します」 
「じ、自分はハイネ・ヴェステンフルスと言います、お言葉に甘えさせていただきたく思います」 

しっかりと、丁寧に返事を返す。 
マルキオと名乗ったその男は、またにっこりと微笑んだ。 





ニート!ニート!二・ィ・ト!! 
BO・KU・TA・CHI・二・ィ・ト!! 
ドナドナドナドナ ラクスを乗せて 
ドナドナドナドナ ストフリ揺れる 
ドナドナドナドナ 乳は揺れない


機動戦士ガンダムSEED ksk Spiral


NEET NEET NEET
ストフリなんてもう乗らね 
働かずに 姉のお金で ゲーム三昧 
イヤァーーーーーーーーーーッハァ!!ニィト!! 
イヨォーーーーーーーーーーッホォ!!ニィト!! 
今日もvip通いさ だって俺はフリーダーム 
ニートは木〜を斬る〜〜〜 
HEY!!HEY!!HO〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!(ケ゛ホッケ゛ホッ) 
ぷぷっぴどぅー やらないか 感じるままにやってみないか 
乳首と聞きつけるやいなや 吸い付くラ〜ク〜ス〜 
今日もゲームで種割れしまくり! 
ニート友達のイザーク、ディアッカと 
ゲームの情報交換 
my GHETTO BLASTER! 
よーしヤラナイカ〜〜 
今じゃストフリも タクシー代わりさ 
NEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEET!!!!!!!!! 
永遠に消えない傷跡が 
チュクチュクしちゃ〜うの〜 
イザーク「キョシヌケーカ゛ー」 
ディアッカ「グゥレイト!」 
「キラ「やめてよね」
 
俺たちNEET軍団〜! 
NEET、NEET、NEETですからボク〜 NEEEEEEET FLASH!!!! 
DO YOU LIKE ラクス? 
ハイネ様の新デスティに−プランにさ・ん・せ・いさあああ! 
love love チュッチュラララチュッチュ 
もったいないの気持ちが大事 

ハイネ「働いたら負けかなと思っている」 
キラ「やめてよね。ボクがNEETじゃなくなったらラクスが悲しむじゃないか」 
ディアッカ「グゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥレイトォ!!!」 


オ ー ブ 終 わ っ た な 



この番組は、

PTA

と

ポッカ
T.M.Revolution
学研

の提供で、お送りします。





 

PHASE1「翔びたてニート!」 


 
一命を取り留めた俺は、しばらくマルキオ導師の元で時をすごした。 
そこで4年ほど何の危険も無い平凡な暮らしをしているうちに、俺は「遊んで暮らしたい」と言う贅沢な信念を持ってしまった。 

「じゃあ、俺は行きます」 
「……気をつけて下さい。あそこの周りでは、小さな紛争はなくなっていないようですから」 

俺は、「遊んで暮らしたい」という信念を通すため、オーブに行く事を決意した。 
未だに世界は火薬庫みたいな状態が続いているが、絶対的な力を持つオーブに対して 
攻撃を仕掛けようとする奴はそうそういない。一応は世界中で一番安全な都市といっていいだろう。 
俺は、マルキオ導師から渡された手帳のようなものを頼りに、オーブの入国管理局へ辿り着いた。 

「入国管理番号? なんだそりゃ?」 
 「オーブへの入国にはパスが必要だと言っているんだ」 
「んな事いわれても… 俺が渡されたのはこれだけだしなぁ」 
 「これは…? マルキオ導師の!? っ失礼しました! すぐに部屋を用意しましょう」 
「……あ、ああ……(…あの人、やっぱすごい人だったのか)」 

なんだかよくわからないが、マルキオ導師に渡された手帳は案内状みたいな物だったらしい。 
そしてそのままやたら豪華なマンションに招待された。 
何の事前連絡も無しに、こんな対応ができるとは、流石オーブだ。 

 「お手数ですが、こちらの書類にサインをお願いします」 
「OK。えーと… ハイネ・ヴェステンフルス…年齢25歳、性別男っと… ん?」 

その書類には「持病」という項目があった。外から見ればバリバリ健康体の俺だが……実は持病を一つ持っている。 

 「どうかされましたか?」 
「…ん? いや、なんでもないよ。ほいっ、これ書類」 

俺は持病の欄には何も書かずに書類を出した。普通、こういう書類ではちゃんと持病は書いとくべきだ。 
アレルギーなら出す食事を調整してくれるだろうし、重大な疾患を持っていても素早く対処できる。 

だが、俺は書かなかった。その理由は簡単だ… 
俺の持病は「いんきん」なのだ。 
何? そんな病気知らない? 悪いが俺の口からじゃあまり言う気にはならない。 
そんなに気になるなら、辞書で引くなり検索するなりすればいい。 
それにこの病気は、別に何か特別な対処をしなくちゃいけないような病気じゃない(と思う)。 
わざわざ書類に書く必要もないだろう。恥ずかしい。 

しかし俺はこのだいぶ後、この選択を後悔する事になる。まあそれは、別の話だ… 


 「ハイネ様の部屋はここになります」 
「いい眺めの部屋だな。これで俺も、遊んで暮らせるスーパースターってわけだ」 
 「では、私はこれで…  !?」 
「ん? どうし… ! アンタは…」 

突然廊下に現れた人影。それは… 

 「カ、カガリ様!? なぜこのような場所に…」 
「お前がハイネ・ヴェステンフルスか」 

そこに現れたのはカガリ・ユラ・アスハ。まだ若いが、オーブの国家元首だ。 

「? オーブの代表が一体俺になんのようだ」 
 「話は全て聞いている。少し頼みたい事があってな」 
「頼み? 俺が出来る事なら、なんでもやるが」 

わざわざ国家元首が頼みに来るとは、珍しい事もある。 
よほど重要な頼みなのだろうか。 

 「お前代表になれよ」 
「はぁ!?」 



俺は言葉を疑った。 
今日オーブに来た初対面(だよな?)の人間にいきなりこの国のトップに 
なれだって? 冗談でも普通そんな事はいわない。 
何を考えているんだ、この国家元首は。 

 
「何いってんだアンタ!? 代表はあんただろ!」 
 「だからこそ、代表自ら出向いて、お前に次期代表を務めて欲しいと言っているんだ」 
「んなバカな… 俺は今日からここで遊んで暮らすんだ」 
 「お前こそバカな事を! いいか、働かざるもの食うべからずと言うだろう! 
 ただでさえNEETの問題が今オーブでは深刻な社会問題になっているんだ!」 
「それは政府陣が個人の問題だと言って社会的な政策を怠ってきたからだろ? 俺の話とは関係ない」 
 「なんだと…! 大体お前、なんで働こうとしない!」 
「働いたら負けかなと思っている。それだけだ」 
 「っ…!!」 


完全に全てにおいて言い負かした。当然だ。そもそも俺より年下の女の子が、 
いちいち人の生き方に文句をたれるのが間違っている。 
だが、この後すぐに形成が逆転する事になる… 


 「……いくらマルキオ導師の紹介とはいえ、お前が代表の座を 
引き継がないと言うのなら、私にも考えがある。アマギ! この男をつまみ出せ!」 
 「は? いえしかし…」 
「そ、そうだちょっと待て! いくらなんでもそれは横暴じゃ」 

躊躇するアマギと、慌てるハイネ。当然の反応だ。だがカガリはさらに言い放つ。 

 「このホテルはオーブ代表が所有するものだ。自分の所有する物に住んでいる人間を 
どうしようと勝手だろう? もちろん、オーブの代表が変われば、そいつに権限が移るけどな」 

もう完全に脅しである。しかしハイネもこの良条件のホテルを離れるのを嫌なようだ。 
何より、オーブに、ここ以外に当てがあるわけではない。 

「……お前… なんでそこまでわざわざ俺に代表をやらせようとする…?」 
 「お前にそれを教える義務はない。さあホームレスと国家元首、二つに一つだ! 選べ!」 
「……仕方ない… ホームレスよりは遊べるだろ… やってやるよ。オーブ代表」 

仕方なく折れるハイネ。ホームレスになるわけにもいかない。 

 
 「交渉成立だな。では、後の事はお前に任せるぞ」 
「な… 今からかよ!」 
 「当然だ。私にはやるべき事がある」 
 「ま、待ってくださいカガリ様! オーブの代表は代々五代氏族のうちから選ぶのが…」 
 「セイラン家やロンド家は族長不在で何も言い出しはできまい。」 

オーブの代表は代々五代氏族と呼ばれる人々の中から決められる。しかしながら 
サハク家の領主はCE71のオーブ開戦時に、セイラン家の者達はCE73頃のザフト襲撃により行方不明となっており、 
後の二つの領主も不在の今、アスハ家が代表となるのはごく自然な流れなのである。 

 「しかし最近地位を上げてきたレノン家の者…特に族長であるジョンが許すとも思えませんが」 

レノン家。それは五代氏族では無いにも関わらず、あらゆる方法で地位を上げてきた家である。 
領主であるジョン・レノンは特に正確が悪く、この数年の間で何度もカガリから代表の座を奪い取ろうとしている。 
そんな彼が、代表交代の方を聞き、黙っているわけが無い。 

 「奴の事なら、ある男たちに任せている。問題ない」 
 「左様ですか… しかしカガリ様、オーブ代表を辞めてまで一体どこに…」 

国の国家元首がわざわざ代表をやめて関係ないものに譲るなど、 
普通考えられない行為である。アマギでなくとも疑問に持つであろう。 

 「じゃあ、後は頼んだぞ。ハイネ・ヴェステンフルス」 
「ああ。わかったよ」 

アマギを無視して話を進めるカガリ。目的は一切不明である。そのままエレベーターで降りていってしまう。 

 「カガリ様! ああ行ってしまわれた… しかし、レノン家の事を任せたある男とは一体…?」 
「はぁ… 俺の信念が曲げられた…」 


その頃、そのジョン・レノンの部屋。 
そこにはジョンのほかに、ジョンに対して報告をする仮面の男が一人いた。その報告の内容は、カガリの代表交代の件である。 


「何…? 代表の交代…ついにか! これで次こそワシが…」 
「チッチッチッ、違う違う。次の代表はハイネ・ヴェステンフルス。OK?」 
「ヴェステンフルス!? 何者だそいつは! アスハ家が代表を務めていると言う 
だけで腹正しいと言うのに、この期に及んでこの政府とまったく関係ない者が出てくるなど!」 
「うるさいおっさんだねぇ、アンタも。悪いけど俺から見ても、あんたなんかよりはよっぽど代表に 
相応しいと思うけど?」 
「アスハの廻し者が…言いたい放題いいおってからに… やれ!」 

部屋の隅から出てくる黒服の男達。手には拳銃を持っている。だが… 

「ヒュゥ〜〜♪ ク゛レイトォッ! 数だけは多いぜ!」 

その拳銃の銃口が仮面の男に向けられるより早く、全ての黒服の男達が倒される。 
目にもとまらぬ早技だ。 

「バカな… これだけのエージェントをものの数秒で…そしてその仮面… 貴様何者…?」 
「ま、元赤服は伊達じゃないって事よ」 
「くっ… ワシをどうする気だ… 殺すのか?」 
「いーや、俺は殺しはしないさ。ただ、偶然ザフトのMS暗殺部隊が襲撃に来るって事は、あるかもね」 
「? 何をいって…」 

ドォォォォン!その時だった。爆音とともに部屋が崩れ落ちる。 

「な、なんだぁっ!?」 
「やっぱ生きてたって事ね、暗殺部隊隊長さん」 
「ラクス・クラインの暗殺は失敗…それから雲隠れして何年経ったか… ついに俺に汚名挽回のチャンスが来た…」 

現れたのはボロボロのザフトの旧式MS、アッシュ。それに乗るのは数年前ラクス・クライン暗殺部隊の 
隊長であったヨップ・フォン・アラファスだ。フリーダムの手により倒され、爆発により死亡したと思われていたが、 
生きていたのだ。 


「MS!? なぜこんな所に!?」 
「ラクス・クライン……覚悟しろっ!」 
ジョンに向かってビーム砲を向けるヨップ。 

「な…何をいっている! ワシのどこがラクス・クラ…」 
次の瞬間、MSアッシュのビームにより、ジョンは蒸発していた。 

「目標暗殺完了…これで、終わった…」 
グオオオッンッ!! 
轟音とともに自爆するアッシュ。すでにディアッカは部屋から逃げ出している。そして、ディアッカのつけている通信機から、 
声が聞こえてくる… 


 「『ジョン・レノン 午前11時23分 実は生き残っていたヨップ隊がラクス・クラインと間違えて暗殺しに来て、MSにより圧死』 


 「『ヨップ・フォン・アラファス 午前11時25分 ジョン・レノン殺害後、任務完了の喜びと共に力尽き、機体もろとも自爆』」 

その声の主は、プラント現最高評議会議長、超人うんこ君その人である。 
ザフトは戦力として、顔がわかっている状態で人の名前を書くとその人間が死ぬという『デスノート』を所持しているのだ。 

このデスノートは、名前の後に死ぬ際の詳細を書くことができ、それにより死に方や死ぬ前の言動を指定する事が出来る。 
(ちなみに名前しか書かなかった場合、心臓麻痺となる) 

「…デスノートに狂いなし! ク゛レェイトオッ!」 

この仮面の男は、今はすでにZAFTを抜け、特に正体を隠しているわけでもないのに仮面を被り、 
ニートをエンジョイしているディアッカである。 
今回は気まぐれで、なんとなく作戦に参加している。別にディアッカがいなくてもジョン・レノンはデスノートで 
殺せるのだ。噂ではディアッカは『死神の目』なるものを持っているとも言われているが、詳細は定かではない。 


そして、今起きた出来事はすぐさまハイネの元に伝わる。 

 
 「た、大変です!」 
 「一体どうした?」 
 「ジョン・レノン氏が、謎の爆発によって死亡したと… 原因は調査中です!」 
 「な… そんな都合よく……?」 
驚くアマギ。さっきのカガリの言葉が脳裏によぎる。 

「へっ、どうやら俺がオーブ代表になる障害は、排除されたみたいだな… 
やってやろうじゃんか、オーブの代表。上手くやれば遊んで暮らせそうだしな」 



こうして、新オーブ代表ハイネの元に、新生オーブが誕生した。 
周りの助けもあり、代表としての仕事もこなしつつ、ハイネは上手く遊びながら暮らし、かれこれ6年間、 
オーブの代表を務めた。ある事件によりカガリがオーブの敵として動いているという事が露呈し混乱したが、 
それでも大きな争い事は起きなかった。最初は意気込んでストライクフリーダムを駆り、 
パトロールをしていたらしいキラ・ヤマトも、いつしかゲーム三昧の日々を送るようになっていったという。 

しかし、その沈黙はこの6年目、CE83に破られる事になる。 
それはハイネが視察の名目でいつものように一人旅をしている所から始まる。あるモビルスーツとの出会いによって… 


アムロー… 振り向かないーで…

宇宙の… 彼方に 輝く星ーはー…

アムロー… お前の生ーまれた故郷だー

覚えているかいー… 少年の日の事をーぉ…
あたたかいぬくもりの中でー 目覚めた朝をー…
アムロー 振り向くなー アムロー
男は 涙を 見せぬもの 見せぬものー
ただ明日へとー… 明日へとー… えいーえんにー…



次回予告

イザークがニ−ト脱出を計ろうとハローワークへ行くが、なんとそこには・・・ 
ハローワーク職員を殴り飛ばす仮面ディアッカの姿が!  
それを捕まえようとする警察官はかつての後輩シン
 シン「アンタって人はーー!!」 
 セイラ「お父さんやめて!必殺ニート仮面さんを殴らないで!」 
 シン「仕事が無いのが悔しかった、俺はこのハローワ−クで全てをなぎ払う」 
ディアッカ「この仮面はデスノート対策だぜ、グゥレイトォ!」 

イザーク「そいつをかせぇぇぇー!」 
 シン「俺のこの手が・・・!!」 
ドモン「それは俺の技だぁー!!」 


PHASE2「偽りのNEET」叩いて被ってジャンケンポン!あっち向いてホイ!ウフフフフ



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